この記事はこんな人向けです
- 短い期間で転職活動をしたい人
- 年収面で妥協をしたくない人
私は、2019年に転職活動を行いました。初めての転職活動にもかかわらず、活動開始→内定までは、わずか1カ月半(6週間)でした。
内定をもらった企業は、いずれも東証一部上場企業で、前職の年収より1.5倍アップ。短い期間の転職活動でしたが、十分に満足する結果となりました。
私は、転職サイトのカウンセラーと相談のうえ、転職活動を「短期決戦」とする戦略をたてました。(転職活動を短期決戦とするメリットなどは、以下の記事にまとめています。)
この記事では、私が行った「6週間」の転職活動の具体的な経緯をご紹介します。
目次
プロフィール
転職活動について語る前に、私の転職活動時(2019年)のプロフィールをお伝えしてます。
- 30歳男・千葉県在住・既婚・子持ち
- BtoB中堅製造業(一部上場)の本社勤務(東京)
- 総務・広報・財務などの管理部門に8年
- 資格:簿記2級・ビジネス実務検定2級・秘書検定2級
新卒で入った中堅製造業で、総務や広報の仕事を8年間取り組んできました。仕事内容の詳細はここでは書けませんが、どの上場企業にも必ずある業務を中心に取り組んでいました。
資格については、
- 簿記 ⇒ 学生時代にゼミの関係で取得
- ビジネス実務法務検定・秘書検定 ⇒ 仕事に役立てられる部分があると考え、独学で勉強し取得
ビジネス実務検定は、業務で契約書や会社法に触れる機会が多かったので取得。秘書検定は、仕事柄、役員の方との接点が多かったので一応取得しました。(勉強時間わずか5時間)
仕事では、自分に必要なスキルはなにか?将来どんな仕事をしたいのか?そのため必要なキャリアはなにか?をいつも考えながら、取り組んできました。総務・広報・財務というキャリアは、一見バラバラの職種のようで、
「会社をただしく伝える」
という側面で共通していました。その「会社をただしく伝える」を極めるために、これらの部署をみずから希望していました。仕事内容としては、自分の希望にかなったものに取り組んでこれたと実感していました。
転職を決めた理由は?
キャリア面で満足していた私が、なぜ私が転職を決めたか。ここでは、私が転職を決めた理由の「リアルな側面」をお伝えします。(面接で話す「転職理由」とは別です)
- 年収が低いと感じていた
- 会社の将来性に不安を感じた
- 上司からのプレッシャー
年収が低いと感じた
当時の年収は、およそ400万円ほどでした。時間外を含めても、およそ450万円ほど。この年収が、私には「低い」と感じていました。
30歳前半の平均年収は、400~450万円といわれています。(参考:Doda)このデータを見れば、自分の年収400万円は特別低いということはありませんでした。しかし、
- 仕事では平均以上の成果を出している
- 日ごろのスキルアップにも真剣に取り組んでいる
- 自分はもっと評価されてもいいのでは?
という思いが、「世間の平均年収とほぼ同額」ということに、不満を抱いていました。
会社の将来性が心配になった
「今は年収が不満でも、我慢して出世すれば、きっと年収も上がるのでは?」という思いもありました。すると、次に気になるのは会社の「将来性」です。
なまじ、広報や財務で会社の内情を詳しく知っていただけに、会社の将来性に強い不安を抱いていました。
- 何十年も昔の製品・事業に、いまだに頼りきっている
- 新たなことにチャレンジしない(しても、すぐに撤退してしまう)
- 利益率・キャッシュフローなどの財務状態が、年々悪くなってきている
こういった会社の実態を詳細に知っていただけに、「今、我慢できたとしても、そのうち潰れるんじゃないか」という不安に襲われました。既婚で子供もいたため、「会社の将来性」への不安は、転職を決める大きな要因のひとつになりました。
上司からのプレッシャー
それまで、上司をはじめ、同僚や後輩などとの人間関係は、とても良好でした。しかし、入社8年目のある日、別の部門から新しい上司がやってきました。
その上司が、とにかく厳しい人でした。
- 人の話を聞かない。聞いてもすぐ忘れる
- 稟議書を持って行っても、内容を見てくれない
- 部下の企画書はことごとく却下
というようなことが、私だけでなく他の部員含めて全員に行われていました。
理不尽ともいえる仕打ちは、ひょっとしたらその上司なりの「教育」だったかもしれません。しかし、「収入」「会社の将来性」に不安を覚えていた私には、転職を決断させる最後の「一押し」になりました。
転職活動スタート!(1週目)
「今の会社にいることが不安(不満)だ・・・」と思いましたが、かといっていきなり
「よし、絶対転職しよう!!」
と強い気持ちで転職活動をスタートさせたわけではありません。まずは転職サイトへ登録して、
- 自分が就きたい仕事の求人があるのか
- 自分が本当に転職できるのか
を調べることにしました。
Dodaカウンセリングを実施
転職サイトへ登録したものの、公開求人にはピンとくるものが見当たらない。そこで、さらに次のステップとして、「転職カウンセリング」の予約をしました。
私は、Dodaのカウンセリングを受けました。Dodaを選んだのは、特に深い理由はなく、
- カウンセリング会場が職場から近かった
- 非公開の求人数が多いという噂を聞いた
という理由でDodaを選びました。(Dodaカウンセリングの詳細は以下をご覧ください)
「短期決戦」という戦略
Dodaのカウンセリングを通じて、カウンセラーの方と「短期決戦」という戦略をたてました。具体的には、60社以上の企業へほぼ同時にエントリーする、という方法です。
「60社」という数字は、「最低でも2社から内定をもらいたい」という私の希望を踏まえたうえで
- 「エントリー⇒内定」までたどり着けるのは、一般的に30社に1社
ということを根拠に、「60社」としました。
結果的には、まさに戦略どおり2社から内定をもらうことができました。それも、たった6週間の転職活動で。戦略としては「成功」と言っていいでしょう。
こうして、転職活動1週目は、カウンセリングを通じた「戦略立案」に時間を費やしました。
転職サイトに掲載されていない【非公開求人】の紹介を受ける方法は?
職務経歴書の推敲・企業エントリー(2週目)
カウンセリングを受けて戦略を立てたのが1週目でした。2週目以降は、さらに具体的に活動を行っていきます。
転職活動2週目に行ったことは、
- 職務経歴書の推敲
- 100社以上の非公開求人から、応募する60社へエントリー
の2つでした。
職務経歴書の推敲
私は60社に応募する前に、職務経歴書の推敲を行いました。職務経歴書はとても重要です。なぜならば、職務経歴書は
- 「自分」という商品を売り込む"プレゼン資料"
になるからです。書類選考では、人事担当者はこの職務経歴書を読んで合否を判断します。また、面接でも職務経歴書の内容をもとに、面接が進んでいくのです。
私が、職務経歴書でとくに注意していた点は、
- アピールしたいポイントを「端的に」かつ「網羅的」に書く
職務経歴書は、プレゼン資料です。アピールポイントを詰め込みたい気持ちは分かりますが、それぞれの項目をあまりダラダラと書いても、担当者はそこまで読みこんではくれません。また、職務経歴書に言いたいことを全て書き込んでしまうと、面接で話すことがなくなってしまいます。
職務経歴書は、自分に興味をもってもらうためのものです。アピールポイントを「短く」かつ「網羅的」に書くことで、「この人のこと、面接でもっと知りたいな」と感じてくれるようになるのです。
ちなみに私を担当してくれたDodaのキャリアカウンセラーの方は、職務経歴書の添削もしてくれました。やはり、何ごともプロに見てもらうのが一番です。職務経歴書のドラフトが完成したら、誰かに見てもらうのもいいでしょう。
100社以上の非公開求人から、応募する60社を選ぶ
Dodaカウンセラーの方と「60社の企業へエントリーする」という戦略をたてましたが、1点懸念がありました。それは、
「自分が希望する条件で、60社以上も求人あるの?」
ということです。職種・業界・年収など、さまざまな条件を希望していたなか、それらを満たした求人が60件以上もあるとは思えませんでした。(実際、公開求人では条件に合うものがほとんど見当たらなかったので)
しかし、その心配は杞憂に終わりました。カウンセラーの方が100件以上の非公開求人を紹介してくれました。しかも、自分の条件をほとんど満たしたものばかり。
そうして、100社以上の非公開求人から、エントリーしたい60社の"選別"を開始しました。正直に言って、100社もあると逆に絞るのが大変なくらいでした。
- 業績が芳しくない会社
- 自分のやりたい仕事から"若干"ズレているもの
- ネットで企業の評判・口コミなどを見て、「ブラック」だと感じたもの
を除いていき、残った60社にひたすらエントリーしました。
こうして2週目は、職務経歴書の推敲とエントリーする企業の選抜に費やしました。
1次面接スタート!(3週目~4週目)
およそ60社への書類応募をし、早いところは翌日には書類選考合格の連絡をくれるところもありました。最終的には、60社の書類選考に対して、30社ほど通過し、1次面接へ通過しました。
「書類選考が合格する確率は30%」とカウンセラーの方から言われていました。しかし、蓋を開けてみると、合格率は50%でした。合格率が高かったのは、おそらく職務経歴書の推敲をきちんと行っていたからでしょう。
正直に言って、これは「嬉しくない誤算」でした。もちろん、書類選考に通ったのは喜ばしいことですが、そのせいで「面接の日程調整」がとても大変になってしまいました。
面接の日程調整について
本来、予定では「60社エントリーのうち、20社で1次面接」という計算でしたが、幸か不幸か30社もの企業で書類選考を通過し、1次面接となりました。こうなると、大変なのが1次面接の日程調整です。
面接の日程調整は、以下の2パターンがあります。
- こちらから日程の候補を送る
- 先方からの日程候補から選ぶ
先方からの日程候補から選ぶ
先方から日程の候補が来た場合は、ラッキーです。送られてきた候補のなかで、自分の都合のいい日を選んで返事をすればOKです。
私が気を付けていたのは、候補が来たらすぐに返事することです。日程候補の返事が遅いと、
- 企業側の心証が悪くなる
- 自分の日程の都合が決まらない
などのデメリットがあります。日程候補を送った企業は、複数の面接官の都合を抑えていることが多いです。すぐに返事をもらえないと、いつまでもその予定を空けておかないといけません。こちらが候補を送る側になると分かりますが、これはかなりの負担です。
なお、送られてきた候補がすべて都合が悪い場合は、その旨をすぐに連絡するようにしましょう。「候補がすべて都合が悪い」と伝えることは、決して悪いことではありません。(転職活動中に、何度かそういう返事をしたことがありましたが、特にクレームはありませんでした。)
レスポンスの早さは、ビジネスで重要なポイントです。相手の心証を良くするためにも、先方からの日程の候補にはなるべく早く返事をするようにしましょう。
こちらから日程の候補を送る
大変なのが、「こちらから日程の候補を送る」です。送った候補が他の企業と重複しないように配慮しないといけないからです。
私がおこなった短期決戦の転職活動の場合、5~6つの面接の日程調整を同時進行に進めることがザラに起こります。それぞれの会社へ送った日程候補をきちんと把握していないといけません。
万が一、決まった日程が重複してしまっては、「こちらから送った候補なのにキャンセル」という、社会人としてあるまじき事態になってしまいます。それだけで、「仕事のできないやつ」と思われても仕方がありません。
実は、転職活動中に1回だけ日程候補を重複させてしまったことがありました。ある企業で1次面接が決まった後、同じ時間帯に別の企業の1次面接の予定が入ってしまいました。もちろん、自分が送った日程候補で。
後から入った企業の面接で、「都合が悪くなり、再度、日程調整していただけないか」という連絡を、Doda経由でしてもらったのですが、叶いませんでした。(マナー違反をしたので当然のことですが)
面接での心構えや準備は?
私が面接で心がけていたことや面接前の準備などは、以下の記事にまとめています。
面接で心がけていたことは、「会話を心がけること」と「誠意をもって接すること」です。
面接は、一方的なスピーチになってはいけません。きちんと、面接官との対話を通じて、面接官が知りたいことを話す、ということが基本になります。
短期決戦の転職活動は、短期間のうちに10も20も面接をこなすよう必要があります。正しい心構え、正しい準備で面接にのぞむようにしましょう。
怒涛の1次面接ラッシュ終了
3~4週目にかけて、約20社ほどの1次面接をこなしてきました。この「短期決戦」の転職活動では、ここがもっともキツい時期かもしれません。
普段の仕事にくわえて、業務時間外や年休中の面接ラッシュ。体力的に精神的にもかなりしんどかったです。
しかし、このように面接を1つの時期にギュッと詰め込んだからこそ、
- 気持ちがずっと"面接モード"でいられる
- 面接で学んだことを次の面接に活かせる
などのメリットがあったと思います。「瞬発力を発揮できる」というメリットを受けられたのだと感じています。
こうして、およそ20社の1次面接を終了し、10社ほどが合格。2次面接へとうつりました。
2次面接スタート!(5週目~)
5週目では、1次面接を合格した会社の2次面接がスタートしました。
1次面接が合格したのは10社でしたが、じつはこのうち、実際に2次面接を受けたのは2社だけでした。つまり、2次面接を受けた2社両方から、内定をもらうことができたのです。
2次面接の合格率は、一般的に50%ほどと言われています。私の場合は、そもそも受けた2次面接が少ないですが、一応、合格率100%という結果に終わりました。そんな私が、2次面接を受ける前にしていた準備ついてご紹介します。
2次面接の準備
2次面接で心がけていたことは、1次面接と変わりません。すなわち、
- 面接は、私という商品を売り込む商談の場
- 端的に、緩急をつけて話す
- 100%の嘘はつかない
の3つです。
面接前に準備していたことも、大きくは変わりませんが、1点だけ違いがあります。それは、
- 会社の事業内容をざっと把握する
- (事業を把握した上で)なぜその会社を志望したのか整理しておく
- 自分が希望する仕事に関係ある「成果物」は、きちんと目を通しておく
- 会社の将来ビジョンや今後注力していく分野を把握する
という、この4点目が1次面接との違いです。1次面接では、実務担当者が面接官となることが多いのに対し、2次面接では、経営職の方が面接官となる場合が多いです。
最低でも担当役員、場合によっては社長が面接官となることもあります。
基本的に、経営職の方は会社の「方針」や「ビジョン」について、普段から議論を交わしています。面接においても、
- 志望動機
- こちらからの質問
で、会社の「方針」や「ビジョン」について触れると、とても好印象となります。
もちろん、自己PRなども大事で疎かにはできませんが、2次面接ではそれにくわえて、「会社の未来」について触れると、より好感度が増すでしょう。
私が受けた、とある企業の最終面接では、担当役員に今後のビジョンついて質問をしたら、嬉しそうにその分野の「未来」を語ってくれました。私は、ほぼ相槌を打っていただけでしたが、結果は合格でした。
ビジョンについて質問するにも、最低限の知識がないと質問もできません。企業ウェブサイトの
- 社長メッセージ
- サステナビリティ・レポート(CSR報告書)
- IR資料
など、会社のビジョンを語っている資料がリリースされているはずです。それらをチェックしてから、2次面接へ挑むといいでしょう。
転職先企業の選択(6週目)
当初の希望どおり、2社から内定をもらうことができました。
この時点で、私の目標は達成されたので、他の企業の面接の予約はすべてDoda経由でキャンセルしてもらいました。
内定をもらった2社はいずれも、「1週間以内に内定承諾の返事が欲しい」とのことだったので、「どちらの企業にするか」を決めました。
転職先の企業を選ぶにあたっては、以下の観点から決めました。
- 従業員の口コミにネガティブなものはないか
- 給与水準や昇給率はどうか
- 妻が、安心できる会社かどうか
要するに、「長く働くことができるか」「ちゃんと生活できるのか」。そんな観点で、1週間じっくりと考えながら決めました。
最終的に、とある東証一部上場の会社に決め、もう1社は辞退をさせていただきました。
こうして、6週間の転職活動を、無事に終了させることができたのです。
最後に
6週間の「短期決戦」の転職活動について、1週間ごとの経緯をご紹介しました。
- 1週目:Dodaカウンセリング(2回)を受ける
- 2週目:職務経歴書の推敲、60社超の企業エントリー
- 3週目~4週目:1次面接ラッシュ
- 5週目:2次面接
- 6週目:転職先企業の選択
このうち、やはり一番きつかったのは3~4週目の1次面接ラッシュです。ここを乗り越えることができれば、6週間の「短期」転職活動はクリアしたも同然です。
転職活動が長期になってしまうと、仕事への影響もありますし、会社にバレてしまうリスクがあります。
なお、転職サイトは、最後までDodaしか使いませんでした。転職活動の「短期」にしたい人には、オススメです。
転職で、サイトに掲載されていない【非公開求人】を活用する方法とは?
私が実際に行った「短期」の転職活動は、瞬発力は求められますが、その分、メリットも多いのです。「転職活動をなるべく短く終わらせたい・・・」という方は、ぜひこの記事を参考にしていただけると幸いです。