この記事はこんな人向けです
- 転職活動の面接の通過率を上げたい人
- 面接前の準備は何をすればいいか知りたい人
私は、過去の転職活動で6週間で2社から内定をもらうことに成功しました。一般的には、「3ヶ月~半年かかる」と言われているなかでは、とまさに「短期決戦」の転職活動でした。
私の転職活動では、1次面接の合格率は20社中10社合格で、合格率50%、2次面接は2社ともに合格でした。
一般的には、
- 1次面接の合格率:30%
- 2次面接の合格率:50%
と言われており、自分の合格率は比較的高いほうでした。この記事では、そんな私が、
- 面接中の心構え
- 面接前に準備していたこと
- 面接が終わった後にやったこと
の3点をご紹介します。
面接中の心構え
面接で見られるポイントは?
【面接で見られるポイント】
- 希望する職種への適性があるか
- 自分の考えや意見、過去の実績をきちんと伝える能力はあるか
- 会社の雰囲気と合っているか
の3点です。
このうち、3点目の「会社の雰囲気と合っているか」は、自分でコントロールできないポイントです。自分のパーソナリティを曲げることもできないですし、仮にパーソナリティをごまかして入社できたとしても、会社の雰囲気になじめずに後で苦労します。
ですから、ここでは1と2がきちんと伝わるような"心構え"をご紹介します。
面接は「私」という商品を売り込む"商談"
1つ目の心構えは、
「面接は「私」という商品を売り込む"商談の場"」
ということです。営業を経験したことある方は分かると思いますが、商談の場では、単に商品の紹介をするだけではありません。
- お客さんの話をじっくり聞く
- お客さんが懸念を持っていることを探る
- お客さんに与えるメリットを提案する
など、お客さんとの"対話"を通じて、商品を売り込みます。
面接も同じです。型にはまった、あらかじめ用意していた原稿を読むような「スピーチ」では、「私」という商品に魅力を感じてくれません。
まずはきちんと面接官の話を聞いたうえで、
- 「私」は仕事に対してどう取り組むのか
- その会社へ入ってやりたいことやビジョンはなにか
- 「私」を採用することのメリットはあるか
などを、面接官との"対話"を通じて伝える必要があります。一方的なスピーチになるだけでなく、"商談"であることを意識して、面接にのぞむといいでしょう。
端的に、緩急をつけて話す
2つ目の心構えは、話し方のテクニックです。私が心がけていたことは
- 端的に話す
- 緩急をつけて話す
という2点です。
端的に話す
これは、面接全体をとおして心がけていたことです。
「1」の質問に対しては「1」で答えるのが基本。アピールしたいあまり、ダラダラと余計なことまで話してしまうと、面接官にはかえって悪印象です。
さきほどご紹介のとおり、面接は「商談」です。ダラダラと余計な説明をする営業マンは、お客さんをイライラさせてしまいます。
質問に対しては、とにかく"端的"に答える。面接官が気になることがあれば、追加で質問されます。「質問」⇒「回答」⇒「質問」⇒「回答」・・という、まさに"会話"のように進めていくのが理想なのです。
緩急をつけて話す
これは、自己PRで心がけていたことです。
1次面接の最初は、ほぼ必ず「まずは自己PRをお願いします」から始まります。
職務経歴書に沿ってPRをすると思いますが、このとき緩急をつけずに話すと、「用意していた原稿の朗読」になってしまいます。
- 強調したいところはゆっくり
- それ以外は少し早口で
と緩急を使い分けると、「アピールポイント」が強調され、聞く方の心に響きます。話が一本調子にならないように、注意してみてください。
100%の嘘はつかない
正直に言って、面接では、多少話を「盛る」ということはありました。たとえば、
「今まで、会社では誰も取り組んだことがないことにチャレンジし、成功しました」
というアピール。ただ、実際には、
「そのチャレンジと似たような取り組みは以前からあり、その取り組みをマネした」
というアピールをしたことがあります。100%の嘘ではないですが、話を盛っています。こういうアピールは、個人的に「アリ」じゃないかと思っています。
商談で製品をアピールするときも「多くのお客さま(10人くらい)から、たくさんの好評価(口頭で確認しただけ)を受けております!」と言っても、100%の嘘ではないですからね。
嘘は絶対にバレる
しかし、100%の嘘は別です。基本的に、面接で嘘をつくとすぐにバレます。面接官は多くの人を見ているなかで、嘘を見抜く能力を身に付けています。
- 表情や話し方
- 職務経歴書や今まで話したこととの矛盾
など、さまざまな要素から「今の話は嘘だな」とバレてしまいます。
実際、私は大学のときに、サークル活動に精を出しすぎて留年していました。転職活動でも必ずそこを聞かれましたが、すべて正直に答えていました。それが原因で落ちた会社もあるかもしれませんが、1次面接の合格率50%という実績を見ると、そこまでマイナスに作用していたとは思えません。
「100⇒120」に盛るくらいは構わないと思いますが、「0⇒100」のように嘘をつくのは絶対にやめておきましょう。
誠意をもって接すること
ここまで見てきて分かる通り、面接での心構えを一言で表すと、それは「誠意をもって接すること」です。
- 相手が知りたいことを探る
- 相手を退屈させたりしたくない
- 相手に絶対嘘をつかない
人間関係において基本的なことが、そのまま面接でも有効に働きます。もちろん、テクニック的なことも必要かもしれません。しかし、一番大事な「相手を思う気持ち」=「誠意」がなければ、あなたに魅力を感じることはないでしょう。
面接での心構えとして、この「誠意」という言葉は絶対に忘れないようにしましょう。
面接を受ける前の準備
ここまで、面接での心構えを見てきました。次に、面接前の準備についてみていきます。私が、面接前に準備していたことは以下のとおりです。
- 会社の事業内容をざっと把握する
- (事業を把握した上で)なぜその会社を志望したのか整理しておく
- 自分が希望する仕事に関係ある「成果物」は、きちんと目を通しておく
会社の事業内容をざっと把握する
基本的なことですが、まずは受ける会社が「どんな会社」なのか、ざっとでいいので把握しておきましょう。特に、会社が扱っている製品・サービスについてはきちんと把握しておく必要があります。
- 主力製品はなんなのか
- その主力製品におけるその会社の強みはなにか
- 近年、注力している事業はなにか
これらは、ウェブサイトに載っている「製品紹介」「事業案内」の情報で十分です。私は、長くても1時間くらいのリサーチでした。
(事業を把握した上で)なぜその会社を志望したのか整理しておく
調査よりも、むしろこちらの方が大事です。
事業内容をある程度理解したうえで、「なぜその会社を志望したのか」をきちんと考えておく必要があります。
いわゆる「志望動機」ということですが、これは言い換えれば「その会社の何に魅力を感じたか?」です。
会社の魅力を見出すうえでヒントとなるのは、たとえば
- その会社独自の技術や特許、プラットフォームなど
- 日本(世界シェア)No.〇
- 〇〇層に特化した製品・サービス展開
- 今後の日本(世界)をささえる製品
など、なるべく「その会社にしかない」魅力を見つけて、それを志望動機にしてください。そうでないと、「なぜその会社に魅力を感じたか」という理由が弱くなってしまいます。
恋人に「あなたの好きなところ」を伝えるときのように、「あなたにしかない魅力」を伝えると、面接では好印象です。
自分が希望する仕事に関係ある資料は、きちんと目を通しておく
自分の仕事に関係ある「成果物」は、きちんと目を通しておく必要はあります。
たとえば、広報を希望する場合は、会社が出しているニュースリリースやIR資料などは、読みこんでおく必要があります。
私は1社だけ、それが出来ておらず面接を落ちてしまったことがあります。広報業務を志望していたのに、IR資料に目を通していなかったのです。後日、Doda経由で「広報志望なのに、IR資料を読みこんでいないなどありえない」と、お叱りを受けて、不合格となってしまいました。
経理の人であれば決算資料、営業志望であれば製品パンフレットなど、「将来、自分が仕事で関わる資料」は、必ず読みこんでおくようにしましょう。
アウトプット>インプット
面接前に会社のことを調べるのは大事ですが、あまりそこに時間をかけすぎてもいけません。そもそも転職活動の1次面接では、
- 自分自身の職歴や取り組んできたこと
- パーソナリティ
- プレゼン能力や話し方、雰囲気など
など、焦点は「あなた」にフォーカスされています。逆に、面接官からその会社のことを質問されることは、私の経験上ありませんでした。
特に、私がおこなったような「短期決戦」の転職活動では、1つ1つの会社にそこまで時間をかける余裕はありません。それでも、ある程度会社のことを把握する必要があるのは、「志望動機」をきちんと話せるようにするためです。すなわち、
- なぜその会社に魅力を感じたか
- 自分はその会社のどんな製品・サービスに関わりたいか
などをアピールするために調べるのです。ですから、会社のことをむやみに覚える(インプットする)必要はなく、むしろ志望動機を話すための手段(アウトプットする)として覚えるのがいいでしょう。
面接が終わった後にすることは?
面接が終わった後にも、次の面接につなげるために必要なことがあります。私が行っていたことは以下3つです。
- 質問で答えに窮したところの回答を考えておく
- 質問の意図が分からなかったところはカウンセラーに聞く
- 「手ごたえなかったな」と感じた会社は気にしない!
質問で答えに窮した回答を考えておく
どんなに準備をしても、面接官からの質問で、答えに窮してしまうことはことは多々あります。そういった質問を受けたときは、終わった後に必ず「次回はこう回答しよう」という"回答案"を用意しておきましょう。
答えに窮した回答は「自分自身」を掘り下げるうえで、曖昧になっていたところです。答えは、必ず自分のなかにあるはずです。そこはきちんと言葉にできるようにしておきましょう。
面接官から受けた質問は、次の面接でも同じことが聞かれる可能性が高いです。「テストの見直しをする」ようなイメージで、必ず面接の"反省"は毎回やっておきましょう。
質問の意図が分からなかったときはカウンセラーに聞く
答えに窮した質問のなかには、「そもそも質問の意図が分からない」というものもあるでしょう。その場合は、転職サイトのカウンセラーの方に相談してみるといいでしょう。
たとえば、私が面接中によく受けた質問で「転職活動については、奥さまは納得しているのですか?」という質問がありました。私は、この質問の意図がよく分かりませんでした。「転職になぜ妻の話が出てくるの?」というのが疑問で、はっきりとした回答ができませんでした。
私は、Dodaで転職活動を行っていましたが、Dodaカウンセラーの方に、質問の意図を聞いてみました。すると、
「転職先を判断するのは、奥さまの影響が大きい家庭が多いから、きちんと家族で活動を共有しているのか知りたい」という質問意図なのだと、教えてくれました。
「なるほど」と思い、次回の面接からは「転職活動の進捗は、家族ときちんと共有しています」と自信をもってこたえることができるようになりました。
このように、質問の意図が分からなかったところは、プロである転職サイトのカウンセラーに聞くのが、手っ取り早いでしょう。
手ごたえがなかった会社は忘れる!
面接を重ねると、「あ、多分この会社は受からないな」と手ごたえのなさを感じるときが、多くあります。この手ごたえのなさは、色々な理由から感じるでしょう。
- 質問にうまく答えられなかったとき
- 面接官の雰囲気が自分と合わなかったとき
特に、2番目の面接官の雰囲気と合わなかったときは、さっさとその会社のことは忘れてしまいましょう。
面接官は、もし合格すれば自分の上司となる可能性が高い人です。その人と雰囲気が合わないのであれば、一緒に働くことはできません。不合格になっていても「こちらから願い下げだ!」という気持ちでいればいいでしょう。
また、質問にうまく答えられなかったときも、「たまたまそのときの調子が悪かっただけ。それで落ちても、その会社とは縁がなかっただけ」と、気持ちを切り替えていきましょう。
特に、短期決戦の転職活動では、1日に2~3の面接を重ねることはザラにあります。ネガティブな気持ちを抱えたまま次の面接へ進むと、自分の実力を十分に発揮できません。
手ごたえがなかった面接はさっさと忘れて次の面接に進むといいでしょう。
まとめ
面接での心構えや準備、面接後に行ったことなどを以下のとおりご紹介しました。
【面接での心構え】
- 面接は「私」という商品を売り込む"商談"
- 端的に、緩急をつけて話す
- 100%の嘘はつかない
【面接前の準備】
- 会社の事業内容をざっと把握する
- (事業を把握した上で)なぜその会社を志望したのか整理しておく
- 自分が希望する仕事に関係ある「成果物」は、きちんと目を通しておく
【面接後に行うこと】
- 質問で答えに窮したところの回答を考えておく
- 質問の意図が分からなかったところはカウンセラーに聞く
- 「手ごたえなかったな」と感じた会社は気にしない!
面接は、自分を売り込む"商談"の場です。正しい心構えで、正しい準備をし、正しい反省をすれば、自分という商品が売れる可能性はぐっと高くなります。
特に、短期で転職活動をしたい人にとっては、「短期間にたくさんの面接をこなす」ということが重要になります。そのなかで、これらのことを徹底すれば、転職活動が短い期間で終わらせることもできるようになります。
この記事が、これから転職活動を始める人、面接が通らなくて困っている人の参考になれば幸いです。