この記事を読めば分かること
~問題解決のためのフレームワーク~
- 「ロジックツリー」の使い方
- 「フィッシュボーン」の使い方
- 「パレート分析」の使い方
フレームワークと言われてもよく分からない。どういう場面で使えばいいのか分からない。そんな方が多いのではないでしょうか。
フレームワークは、下記のようなときに役に立ちます。
- 人に複雑な概念を伝えたいとき
- 問題の全体像を把握したいとき
- 特定の問題について要因を分析したいとき
複雑なことを頭のなかで整理するには、脳のキャパシティに限界があります。かと言って、紙に箇条書きのように書き出しても、全体像を把握したり問題の原因を追究することは難しいです。
そこでフレームワークに落とし込むことで、物事を整理しやすくすることができ、問題解決に役立ちます。
ここでは、フレームワークのなかでも特に使いやすい、厳選したフレームワークや分析をご紹介します。
ロジックツリー
最初にご紹介するのはロジックツリーです。下記の図をご覧ください。
これは、自身の「仕事のモチベーションが低い」という問題に対して、ロジックツリーで分析した図になります。
仕事のモチベーションが低いのはなぜか、ということを深堀すると、「業務が楽しくない」「上司との人間関係が悪い」という2つの原因があることが分かります。
また、それらの要素をさらに深堀すると、「やりがいがある業務が少ない」「仕事の進め方が分からない」「自分の仕事にミスが多い」「コミュニケーションを取る機会が少ない」という原因があることが分かります。
深堀を進めていき原因を細分化すると、それぞれの原因に対して対策が見えてきます。それらの対策を進めていくことで、最初の問題であった「仕事のモチベーションが低い」という問題の解決につながるのです。
なお、今回ご紹介した例は、「仕事のモチベーションが低い」ことの原因を追究する「WHY型」のロジックツリーです。ロジックツリーには要素を分解していく「WHAT型」と手法を分解していく「HOW型」があります。
ロジックツリーの種類
- WHY型:原因・問題を分析 例:「モチベーションが低い」⇒「仕事がつまらない」「人間関係が悪い」
- WHAT型:要素を分析 例:「企業とは何か」⇒「ヒト」「モノ」「カネ」
- HOW型:手法を分析 例:「売上を上げるためには」⇒「新規顧客を獲得」「販売単価を上げる」
ロジックツリーは、物事を深堀していくときに、手軽に使えるフレームワークです。ノートなどに書き出して使ってみると問題の全体像とその対策が見えてくるでしょう。
フィッシュボーン
フィッシュボーンは、ロジックツリーと同様、問題や課題に対しての全体像を把握するために有効な手法です。下記図をご覧ください。
上記図は、「出世したい」という目標に対して、やるべきことをフィッシュボーンに落とし込んだものです。
「出世したい」というメイントピックに対して、「業務スキル」「部門目標達成」「社内の人間関係」「健康キープ」などの必要な要素を足しこんでいきます。さらに、それぞれの要素に対しての必要な事項を足しこんでいくことで問題の深堀ができるようになります。
このように、メイントピックから少しずつ要素を足していく上記のような図が、魚の骨のように見えるため「フィッシュボーン」と呼ばれているのです。
フィッシュボーンは、問題の全体像を俯瞰的に見るために有効です。ロジックツリーは使いやすい反面、複雑な問題を扱うとその全体図がどんどん大きくなってしまいます。フィッシュボーンはメイントピックを中心に要素を足していくため、問題を俯瞰的に捉えやすいのです。
パレート分析
次に、パレート分析をご紹介します。パレート分析とは、何に注力していくかの戦略策定する際に役立つフレームワークです。下記図をご覧ください。
上記は、ある会社の製品それぞれの売上高(棒グラフ)と売上高全体に占める売上累計の割合(折れ線グラフ)です。
上記を見ると、A製品とB製品の2つが、製品全体の利益の80%を占めています。これらの製品の売上を落としてしまうと、会社全体の利益に大きく影響してしまうことが分かります。したがって、A製品とB製品の売上キープに注力する必要があるということが分かります。
このように、全体のなかでもっともパフォーマンスを出しているのがどの要素か、どの要素にリソースを割けばいいか、ということがこのパレート分析から分かります。
このパレート分析は、日常生活で優先事項を決めるときにも役に立ちます。たとえば、「日常生活で時間をともにしている人」という点でパレート分析をしてみます。たとえば、下記の図をご覧ください。
上記図は、1か月のうち一緒に過ごす時間を「家族」「職場の人」などの人間関係ごとにプロットしたものです。
上記で見ると、1か月のうち80%以上を「家族」と「職場の人」と過ごしていることが分かります。したがって、「家族」と「職場の人」との人間関係は特に大事にしないといけない(リソースを割かないといけない)ということが分かります。
人間関係は大事、ということは当たり前のことですが、どの人間関係がどの程度大事かということをきちんと把握しておけば、優先順位を決めることができます。
上記を見れば、SNSにかまけて家族との関係をないがしろにすることがナンセンスだということが分かります。会社の人と大学の友人との予定がバッティングしてしまったときに、どちらを優先すべきか考える材料にもなるでしょう。
ロジックツリーやフィッシュボーンは、問題の全体像の把握には長けていますが、そのなかでも何に注力すべきかという優先順位が見えづらい欠点があります。
パレート分析を用いることで、優先順位を決めて「何にリソースを割くべきか」ということが見えてくるのです。
問題解決のフレームワークに関する本(参考書籍)
図解でわかるビジネスフレームワーク いちばん最初に読む本 福島 正人 (著)
まとめ
問題解決を図るときに、つい頭のなかだけで考えてしまいがちです。
案外人の頭はそこまでキャパシティは高くなく、問題の全体像を把握するためにはきちんと整理する必要があります。そのために有用なのがフレームワークです。
今回はご紹介したフレームワークはビジネスの世界ではもちろん、日常生活や自身の悩みを解決するためにも使うことができます。
ぜひご参考にしていただき、問題解決の一助になれば幸いです。