ビジネス心理学

ストレス解消にマインドフルネス瞑想をおすすめする5つの理由

この記事を読めば分かること

  1. ストレス解消にマインドフルネス瞑想が効果的な理由
  2. マインドフルネス瞑想のやり方

今、様々な分野で「マインドフルネス瞑想」が注目されています。

ビジネスの世界でも、スティーブジョブズやビル・ゲイツといった世界的な超大手企業の経営者がマインドフルネスを日常生活に取り入れていると公言。また、グーグルやインテルでは社員のパフォーマンス向上を目的に、マインドフルネスを企業研修に取り入れています。

日本においても、京セラ創業者の稲盛和夫やパナソニック創業者の松下幸之助など、偉大な経営者が瞑想を実践していたことで有名です。このように、マインドフルネスが世界的に浸透しつつあるなかで、日本ではまだまだマインドフルネスについて理解や普及がすすんでいません。

しかし、マインドフルネスは、ストレス解消には最高の習慣です。この記事では、ストレス解消にマインドフルネスをおすすめする理由を5つご紹介します。

ストレス解消にマインドフルネスをおすすめする理由

①脳疲労を回復させる

脳を疲れさせるDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」

マインドフルネスは、脳疲労を回復させる効果があります。

あなたが何も行動や考え事をしていないときでも、脳は活発に活動しています。たとえば、あなたが通勤中に会社まで一人で歩いているときのことを想像してください。自分の思考にふと意識を向けてみると、さまざまなことを考えています。

  • まず会社に行ったらメールを確認しないとな
  • 今日もここのコンビニは混んでるな
  • この前見に行った映画おもしろかったな

意識的に考えようと思っていたわけではないが、いつの間にかさまざまな思考をめぐらせています。この無意識に行う思考を「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」といいます。

実は、このDMNが脳疲労を引き起こしていると言われています。DMNによる脳のエネルギー消費は、意識的に行う思考の20倍、脳全体の約60~80%程度をDMNが占めていると言われています。

このDMNのはたらきを抑制させるのが、「マインドフルネス」です。

マインドフルネスは呼吸など特定の動作に意識を集中させることで、DMNの働きを抑制させ、ひいては脳疲労を回復させる効果があると言われています。(マインドフルネスのやり方は後述)

脳医学の分野でも効果があると証明

これは、医学的にも証明されています。

2011年に米国のイェール大学が行った事件で10年以上の瞑想経験がある人を対象にマインドフルネス中の脳活動を測定しました。すると、内側前頭前野と呼ばれる部位の活動が抑制されていることがわかりました。

この部位は、ワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、推論、意思決定、社会的行動、葛藤などをつかさどる部位で、要するに人間の理性を生み出す場所、ということになります。

マインドフルネスによってこの部位を意識的に休ませることで、脳を健全な状態へ回復させることができる、ということです。

②集中力を高める

それでは、脳疲労を回復させるとどんなメリットがあるのでしょうか。

1つには、集中力を高める効果があります。DMNが過剰に活発化していると雑念が浮かびやすくなります。

たとえばあなたが、会社で提案書を作成しているとき、本来は提案書の作成に集中しなければならないのに、「この前作った予算追加の稟議、部長見てくれたのかな」「そういえば、BCP訓練のメール来るのいつだっけ」「あ、田中さん席に戻ってきた。あの件について後で聞きに行かなきゃ」など、提案書とは全く関係ない思考をめぐらせていまい、肝心の提案書の作成に集中することができません。

マインドフルネスを習慣に取り入れていれば、DMNの活動を抑制してくれるため、目の前の取り組みに集中し、思考や創造性を100%発揮することができます。

③感情をコントロールできる

「怒り」「不安」「恐怖」といった負の感情を抑制

あなたが仕事や人間関係でストレスを受けたとき、悩んだり不安になったり、ときには怒りを感じたりということがあるかと思います。そのような負の感情をコントロールするときにも、マインドフルネスは役立ちます。

「怒り」「不安」「恐怖」といった感情は、「偏桃体」と呼ばれる脳の部位がつかさどっています。本来、人がストレスを受けたとき、偏桃体が正常であれば、適度にアドレナリンが分泌されて、ストレスの原因を解消させるようあなたに働きかけます。

ところが、偏桃体の活動が過剰になると、必要以上にアドレナリンが分泌されます。その結果、自分では制御できないほどの「怒り」「不安」「恐怖」に襲われます。

マインドフルネスを習慣に取り入れることで、偏桃体の過剰な活動を抑制し、平穏な気持ちで仕事にあたることができるのです。

感情のコントロールが仕事のパフォーマンスを上げる

また、マインドフルネスにより感情をコントロールすることで、あなたの仕事や勉強のパフォーマンスも上がる可能性があります。それは、偏桃体の働きを抑制することで、内側前頭前野の活動も抑制できる、ということです。

 

偏桃体は感情をつかさどる部位ですが、一方で内側前頭前野は理性をつかさどる部位です。あなたが怒りや不安を感じたとき、理性によってそれを抑え込もうとします。そのため、必要以上にマイナスの感情が生まれると、理性をその感情コントロールに割かねばならず、本来のパフォーマンスが発揮できないのです。

感情と仕事のパフォーマンスに関連があるとは意外に感じられるかもしれません。あなたの仕事のパフォーマンスを上げる目的で、ぜひマインドフルネスに取り組んではいかがでしょうか。

④よいアイデアが生まれやすくなる

マインドフルネスを習慣化することで、ふとしたときに素晴らしいアイデアが生まれてきます。それは、マインドフルネスが「フロー状態」を作り出すことに役立つからです。

フロー状態とは心理学の用語で、心理的エネルギーを1つの行動に集中させている状態、のことを言います。スポーツの分野では「ゾーン」とも呼ばれており、ラグビーの五郎丸選手もあの有名なルーティンにより「ゾーン(フロー状態)」に入っていたと言われています。

マインドフルネスにより呼吸に意識を向けていると、さまざまな雑念が頭に浮かんできます。マインドフルネスでは、雑念のそれぞれに対して、よい・悪いの判断をせず、ただその雑念を観察し流していくのですが、ときどき素晴らしいアイデアやイメージが浮かぶことがあります。

これは、「呼吸」という行動に意識を集中させることで、あなたを「フロー状態」に落とし込むからです。

企画職や研究職などのアイデアが重視される職種の方は、ぜひマインドフルネスを日常に取り入れ、他人が思い浮かばない斬新なアイデアを生み出してみてはいかがでしょうか。

⑤習慣化しやすい

マインドフルネスの優れた点の1つに、習慣化しやすいことが挙げられます。

マインドフルネスは、行う時間・場所・長さに条件はありません。いつでも、どんな場所でも、何分やっても自由なのです。ビジネスパーソンの方であれば、たとえば仕事中に「ちょっと疲れたな・・」「集中力切れてきたな・・」と感じたときに、会議室やトイレの個室に移動して行うこともできます。

自宅で朝起きてすぐや、寝る前にやっても構いません。無理に決まった時間や場所、長さにこだわることなく、自分ができる範囲で毎日継続してみてください。

【三日坊主にさようなら】よい習慣を定着させる3つの方法

 

マインドフルネス瞑想のやり方

最後に、マインドフルネスのやり方について簡単に説明します。

step
1
リラックスできる場所に座ります

  • 椅子や床などに座ります
  • 床に座るときは、あぐらor正座はどちらでも構いません

step
2
手は膝の上に置き、背筋をスッと伸ばします

  • 頭上から頭を糸で引っ張られているイメージで、背筋をスッと伸ばします

step
3
目を閉じて、ゆっくりと呼吸をはじめます

  • 息をゆっくり鼻から吸って、鼻から出します
  • 吸った空気が身体全体をめぐって、また身体から出ていくことを意識してください

step
5
浮かんできた雑念をただ観察し、また呼吸に意識を集中させます

  • 雑念が浮かんだことを「悪」と感じず、ただその雑念を観察し流していきます

 

以上が、マインドフルネスの簡単なやり方です。

ちなみに時間は、「何分以上じゃないと効果がない」ということはありませんので、あなたが心地いいと感じる時間だけやってください。マインドフルネスは3分でも5分でも、少しやるだけでも効果を感じられます。慣れてきたら「20分」「30分」と少しずつ時間を伸ばしていくことをおすすめします。

マインドフルネスに関する本(参考書籍)おススメ書籍

世界のエリートがやっている最高の休息法 久賀谷 亮

 

まとめ

マインドフルネスは、宗教やスピリチュアルではなく、医学的な見地に基づいた手法です。

ビジネスパーソンは日々、ストレスにさらされ、パフォーマンスを発揮することを求められています。仕事術や思考法など、パフォーマンスを上げるノウハウはいろいろありますが、それらをこなす脳が疲労していては力を発揮することはできません。

ぜひ、このマインドフルネスを日常に取り入れて、脳を最大限活用してみてはいかがでしょうか。

 

 

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