ビジネス心理学

部下や後輩のモチベーションを上げるための3つの方法

みなさん、こんにちわ!あるぱかです。

このブログは、自己改善やパフォーマンス向上のヒントとなる情報を発信しています。

 

本日のテーマは「部下や後輩のモチベーションアップ」についてです。

 

会社で上司やマネージャークラスの人には、部下がいると思います。

また、上司とまではいかずとも、後輩の指導にあたる人もいるかと思います。

その部下や後輩との関係性やモチベーションについて悩んだことはないでしょうか。

「新しくできた部下が、世代が違いすぎてどのように接したらいいか分からない」

「部下のモチベーションが低くて困る」

「後輩がいまいち自分のことを信用してくれていない気がする」

このように、自分の部下や後輩との関わり方で悩んでいる人は多いと思います。

 

世代によって、価値観や育ってきた環境が違います。

近年は、特にIT分野の目まぐるしい発達により、歳が数年ちがうだけでも、価値観が大きくちがっている、ということもあります。

どのように接することが一番、部下や後輩のモチベーションが上げられるか、ということが分からない方も多いでしょう。

 

今回は、若い世代の方を部下や後輩にもった人に、モチベーションをアップさせるための方法についてご紹介します。

①プロセスや頑張りを評価する

管理職・先輩にあたる人は、部下・後輩の仕事を評価する機会があると思います。

会社で人事制度や目標管理制度を導入している会社では、上期下期での評価フィードバックのとき。

目標制度がない会社では、日々の会話のなかでも構いません。

 

部下や後輩の仕事を評価するときに、「結果・成果」だけでなく途中の「プロセス」や「日々の頑張り・努力」を評価してあげてください。

 

たとえば、こんな具合です。

「今進んでいるプロジェクト、毎日頑張ってくれているね。お客さんとのやり取りも、いつも細かいフォローを入れてくれているね。おかげでお客さんからも大きなクレームは来ていないよ」

「決算業務の仕事について半年経ったね。覚えることが多くて大変だと思うけど、書籍やインターネット、周りの先輩から積極的に知識を吸収してくれているね。数字のチェックも丁寧に時間をかけてやっていて、ミスを減らすよう努力しているね」

「お疲れ様。いつも遅くまで残業して頑張ってくれているね」

 

このように、仕事の「結果・成果」ではなく

・その人が日常の仕事のなかで頑張っていたこと

・時間をかけて取り組んでいたこと

・負荷がかかっていそうなこと

に対して、きちんと評価してあげて、それをフィードバックしてみてください。

 

「結果・成果主義」ではモチベーションは上がらない

なぜ「結果・成果」を評価するだけでは不十分なのでしょうか。

1つには、多くの「結果・成果」は本人の努力だけに左右されるものではないからです。

例えば、営業マンが

「上半期の●●製品の売上げ1,000万円」

という目標を掲げたとします。

もちろん、売上げ目標を達成するかどうかは、本人の努力によるところも大きいです。

しかし、

・経済環境の変化

・会社の方針

・突発的な社内トラブル

など、外的要因にも大きく左右されます。

今回のコロナウイルスの感染拡大などがいい例ですが、このような状況で売上げ目標が達成できず

「君は目標に達していなかったね」

と言われるのは、いかにも理不尽で、納得感は得られないでしょう。

 

これは、逆のパターンでも同じことが言えます。

「売上げ目標1,000万円」に対して、「2,000万円」という結果で終わったとします。

しかし、この要因を分析したところ

・たまたま市場が伸びて、注文が多かった

・突発的な需要が発生し、大口の注文が入った

・研究開発部が斬新な製品を開発したことで、注目を浴びた

など、営業マン本人の努力とは関係ないところが目標達成の要因だったとします。

この場合に、

「目標達成したね、よく頑張った!素晴らしい!」

と言われて、果たしてうれしいでしょうか?

悪い気持ちではないでしょうが、内心は

「たまたまなんだけどね・・・」

という微妙な気持ちになるでしょう。

 

それよりも、

「目標の数字には届かなかったけど、市況が悪化して需要が減っているなか、一生懸命お客さんにプッシュして売り込んでくれたね」

「新製品をお客さんへ説明するために、いろいろ勉強してくれていたね」

「急にたくさん注文入って大変だったと思うけど、工場や購買部との連携を頑張ってくれたおかげで、なんとか対応できたね」

と言われたほうが、その人個人の頑張り・努力にフォーカスされて、

「頑張ってよかった!次も頑張ろう」

というモチベーションアップにつながるのです。

 

成果・結果主義のもとでは、正しい目標設定ができない

もう1つ、成果・結果主義のデメリットとして、適切な目標設定がしづらくなってしまうことが挙げられます。

たとえば、目標管理制度を導入している会社の多くが、目標と成果を紐づけていると思います。

「目標を設定し、その目標に対して評価を設定すれば、自然と社員のモチベーションが上がる」

そんな風に考えて、目標制度を導入している会社が多いと思います。

しかし、そんな単純なことで社員のモチベーションは上がりません。

理由は、1つには上記で書いた「結果には外的要因が影響してくること」

もう1つは、そもそもの目標設定の段階で、低い目標を設定する要因になってしまうからです。

これは当然のことです。

目標を達成するかどうかでその人の評価が変わるのであれば、達成しやすい低い目標を設定すれば評価が上がりやすくなるからです。

ですから、たとえば営業マンが

「売上目標、本当は1,000万円くらいはいけそうだけど、達成できなくて評価が下がるといけないから、800万円くらいにしておこう」

という思考になってしまうのです。

これが、日々の努力、プロセス評価であればこんなことは起こりません。

達成できるかどうかは別として、売上目標1,200万円だろうと、2,000万円であろうと、高い目標を設定することができます。

その高い目標に対して、部下や後輩はさまざまな工夫や努力をしていくでしょう。

上司や先輩にあたる方は、その工夫や努力、つまりプロセスをきちんと評価してあげればいいのです。

そうすることで、モチベーションが上がり、最大のパフォーマンスを発揮することができるのです。

 

②その人の仕事がなぜ大事なのかを伝える

モチベーションを上げる2つ目の方法として、その人の仕事がどう会社や社会に貢献しているか、きちんと伝えてあげることが大事です。

人が働くことのモチベーションは金銭だけではありません。

高度経済成長やバブルの時代のように、会社に所属していれば自然と給料が上がり、将来安泰ということはありません。

会社に入社してくる若い人も、そこを十分理解しています。

ですから、金銭以外にモチベーションの在りかを求めているのです。

 

実際に、2019年に、リクルートキャリアが「入社予定企業の決め手」について就活生へ調査した内容を見ると、

1位:自らの成長が期待できる(47.1%)

(中略)

6位:会社・団体の理念に共感できる(22.2%)

(中略)

8位:年収が高い(18.4%)

と、年収の高さよりも、「自己成長」や「会社の理念」に意識が向いていることが分かります。

参考:https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2019/190131-01/

 

ですから、逆に言うと、会社へ入って与えられた「仕事がなぜ重要なのか」、「どう会社や社会へ貢献しているのか」が伝わらないと

「つまらない」

「自分の成長になっていない」

「無駄なことをしている」

と感じてしまい、モチベーションが落ちてしまうのです。

たとえば、部下や後輩に伝票整理のような単純な仕事をさせるにしても、

「会計士や内部監査の調査が入ったときに、伝票が整理されていないと再検査になるかもしれないから」

「お客さんから問い合わせが入ったときに、スムーズに伝票を探してお客さんをイライラさせないようするため」

など、「なぜその仕事が必要なのか」をきちんと説明することが重要です。

 

もし、その仕事の必要性について、あなた自身が説明できないのであれば、そもそも必要のない仕事である可能性もあります。

業務のたな卸しをする意味でも、1つ1つの仕事に対して「なぜ必要なのか」を整理しておくことが重要です。

③積極的に声をかける

声がけは「あなたのことを気にかけています」という意思表示

部下や後輩のモチベーションを上げる方法として最後に、「積極的に声をかける」をご紹介します。

これは、日常的に使うことができ、かつ非常に効果がある手法なのでおすすめです。

声をかける、とは決して難しいことではありません。

「おはよう、今日も暑いね」

「このあいだ頼んだ仕事は順調?」

「なにかあったらいつでも声をかけてね」

など、特に用事がなくても、簡単なことでいいので声をかけてみるのです。

 

ここで大事なことは、会話の内容ではありません。

上司や先輩から、「声をかけた」という事実が大事なのです。

 

なぜ、この「声をかけた」という事実が大事なのでしょうか。

それは、「あなたのことを気にかけている」という意思表示が、部下や後輩の「心理的報酬」になるからです。

人はだれしも、自分に興味を持ってくれている人に好感を持ちます。

特に、部下や後輩などにあたる人は、「上司からどのように思われているか」をとても気にしています。

 

これは、日本人特有の気質だといえるでしょう。

日本人は、人との関係性を大事にすることを、小さいころから教えこまれています。

勉強を頑張るのは、自分の知識のためではなく「お父さんお母さんが喜ぶから」

悪いことをしてはいけないのは、相手に対して被害を与えるからでなく「家族や友人が悲しむから」

さまざまな場面において、人との関係性のなかで、価値観の教育がなされてきました。

 

その価値観は会社へ入ってからも変わりません。

仕事を頑張る理由として、「上司や先輩に認められたいから」と考える人は多いのです。

単に、「会社はお金を稼ぎにいくところ」と割り切れる人の方が少数派です。

 

ですから、上司から積極的に声をかけてもらうことで

「自分のことを気にかけてもらっている」

「自分の仕事をちゃんと見てくれている」

というポジティブな気持ちを持つことができるのです。

 

1日5分間の面談でさらに関係性が向上

声がけ以上に効果があるのは、毎日の5分間程度の面談です。

声がけで「あなたのことを気にかけている」と意思表示するだけでも十分効果はありますが、

せっかく声がけするのであれば、部下や後輩からもきちんと話を聞きたいものです。

 

部下や後輩の視点に立つと、

「あのこと相談したいけど、なかなか機会がない」

「このあいだの出来事を話したいけど、自分からは気軽に話しかけられない」

などと、話したいけど話す機会がない、という人は多いのです。

 

そこで、1日5分間の面談です。

場所は、会議室・デスク周り・廊下・喫煙所など、どこでも構いません。

立ちながらでも十分です。

 

可能であれば、毎日おなじ時間・おなじ場所で行ってみてください。

おなじ時間・おなじ場所とすることで、それが習慣化され、5分間面談のお互いの心理的負荷も下がってくるでしょう。

習慣化の3つのコツ!三日坊主の人は必見

 

まとめ

何事も「初心に立ち返って」と言われますが、実際に長く会社勤めをしていると、入社したときの自分がどんな気持ちだったか、なかなか思い出せないものです。

「当時の自分はこんな風に上司に接してもらいたかった」

そんな記憶も、時間とともに失われていきます。

 

また、今と昔とでは環境が違うのも事実です。

「昔は、上司に怒鳴られながら仕事をしていた」

「仕事をミスしたら灰皿が飛んできた」

「自分のモチベーションなど考えたこともない」

そんな時代を過ごしてきた人もいるでしょう。

 

しかし、時代とともに価値観も移り変わっていきます。

 

「昔はこうだった」

ではなく

「今はこうすることがベスト」

という視点で、部下や後輩との接し方を模索していくことが大事です。

部下や後輩がモチベーションが上がらず困っている、という方は、ぜひ今回お話した3つの方法を試してみてはいかがでしょうか。

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